戎福中講の彫り物は、墨書き等の彫師銘が確認されていないのですが、その彫り物の形態より彫り師は、桝屋又兵衛（初代彫又）、もしくは西岡又兵衛（二代目彫又）と考えられております。また、図柄は欄間には七福神が彫られ、主体としては「漢楚軍談」（項羽と劉邦）の豪傑達が彫られています。今回の「平成の大改修」時にも、木下彫刻様にお願いして、この物語で統一して彫って頂きました。

大屋根廻り
鬼板（正面）：「獅子噛み」
鬼板（背面）：「獅噛み」
懸魚（正面）：「松に鷹」
懸魚（背面）：「鳳凰」
（正面）枡合：「飛龍」、欄間：【七福神】｢恵比須天｣、虹梁：「唐草文様」
（右側面）枡合：「虎」、欄間：【七福神】「弁財天、毘沙門天」、虹梁：「唐草文様」
（左側面）枡合：「虎」欄間（左）：【七福神】「布袋尊、福禄寿」、虹梁：「唐草文様」
小脇板（右）：【漢楚軍談】｢剣を振る項荘（鴻門の会）｣、柱巻：「降り龍」
小脇板（左）：【漢楚軍談】｢剣を受ける項伯（鴻門の会）｣、柱巻：「昇り龍」
（右側面）　幕板：【漢楚軍談】「月夜に駆ける　韓信」
（左側面）　幕板：【漢楚軍談】「蒼海公の勇姿」
背面　幕板：【漢楚軍談】「張良、劍を賣りて韓信を説く」
脇障子（右）：【漢楚軍談】｢黄石公、張良に兵書を授ける （張良、下邳に黄石公に出遭う｣
脇障子（左）：【漢楚軍談】｢張良、剣を抜き龍より沓を取り戻す （張良、下邳に黄石公に出遭う｣
脇障子物見（右）：「吽形の唐獅子」
脇障子物見（左）：「阿形の唐獅子」
（右側面）竹の節：「燭台にやぐら紋」、兜桁：「戎」の文字
（左側面）竹の節：「燭台にやぐら紋」、兜桁：「戎」の文字
＜腰廻り＞
（正面右）犬勾欄：「唐草文様」
（正面左）犬勾欄：「唐草文様」
（右側面）犬勾欄：「牡丹」
（左側面）犬勾欄：「牡丹」
擬宝珠（右）：「蓮」
縁葛（正面）：「宝珠を掴む青龍」
（右側面）擬宝珠勾欄：［勾欄合］「波濤」、［束］：「力士束」、縁葛：「波濤に阿龍」
（左側面）擬宝珠勾欄：［勾欄合］「波濤」、［束］：「力士束」、縁葛：「波濤に吽龍」
＜小屋根廻り＞
飾目：「牡丹に唐獅子」
懸魚：「波濤に恵比須天」
車板：【漢楚軍談】「劉邦 芒蕩山に白蛇を斬る」、枡合：「鳳凰」
枡合（右）：「谷越え唐獅子」
枡合（左）：「谷越え唐獅子」
欄間（右）：【七福神】「寿老人」
欄間（左）【七福神】「大黒天」
虹梁：「牡丹に鳳凰」、幕板（右）：【漢楚軍談】「項羽、重さ五千斤の鼎持ち上げる」
虹梁：「楓に鳳凰」、幕板（左）：【漢楚軍談】「樊膾、鐵門を破る」
（右側面）擬宝珠勾欄：［勾欄合］「波に千鳥」、［束］「力士束」、縁葛：「波濤に吽龍」
（左側面）擬宝珠勾欄：［勾欄合］「波に千鳥」、［束］「力士束」、縁葛：「波濤に阿龍」

この頁作成にも、戎福中若頭K..K様、「市場　秋祭り」、「泉州の祭り」管理人　半田様に画像をご提供頂きました。
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